【ネタバレ有り】ファインディング・ドリー感想

ファインディング・ニモの感動から12年。ファインディング・ドリーのレビューを書いていこうと思います。

がっつりネタバレしているので、未見の方はご注意ください。

ファインディング・ドリー感想

ファインディング・ドリーあらすじ

前回の大冒険から1年。ある真夜中の日にドリーは突然自分が子供だった頃の夢を見る。翌日、ドリーはとある騒動をきっかけに突然子供の頃の記憶が蘇り、生き別れた両親を捜しに行くと言い出しまた冒険に出るが途中で海洋生物研究所の職員に捕獲されてしまう。

Wikipediaより引用

さて、まず大前提として、今回の主役はドリーなのです。

ファインディング・ニモで、ドリーはちらっと家族について話しています。

その一言を膨らませた形の続編ですので、前作との繋がりが非常によくできております。

例えば、ドリーが人間の言葉を読める理由、クジラ語が話せる理由など、前作では特に理由はなかったと思われる事柄が、今作では伏線として活かされており、ドリーという魚の人生がより綿密に描写されました。

ドリー:ビギンズ

ドリーが子供のころの回想が随所に差し込まれ、忘れん坊のドリーが少しずつ記憶を取り戻していきます。

子供のドリーの可愛いこと可愛いこと・・・!

子供ドリー

ドリーは子供のころから忘れっぽかったので、両親が手を焼きながらも優しく育てていくのですが・・・

なぜドリーは家族と離れ、マーリンと出会ったのか。

ほんの少しだけ、ドリー:ビギンズとしての要素も含まれていました。

非常に暗く、重いテーマ性

ドリーの記憶障害

ファインディング・ドリーは、ズートピアと同じく、重いテーマをポップに描いています。

ただし、ズートピアよりも顕著であり、ピノキオなどと同じく子供には怖がるような暗いシーンも。

ファインディング・ドリーのテーマは、ズバリ障害(欠点)を持っている人の生き方です。

表向きのテーマは「欠点は個性」「ありのままの自分を受け入れる幸せ」です。

ただ、描き方は明らかに障害を持つ子の両親であるし、障害を持つ人への周囲の人間の接し方なのです。

ファインディング・ニモでも、生まれつき小さいニモのヒレを「幸運のヒレ」と呼び、マーリンが過保護すぎる欠点から目を逸らそうとするも、それを切り抜けて成長するといった描写がありました。

そして、今作ではそれを昇華させています。

マーリンは、前作はドリーに対し呆れることはあっても、本気で怒ることはありませんでした。ただし、今作の「ある出来事」で、とうとう怒りを爆発させてしまいます。

「できること?あるよ!向こうへ行って忘れていてくれ!君は忘れることが一番得意なんだから!」

ご存知の通り、ドリーは忘れん坊で、物事をすぐに忘れてしまいます。
それも忘れん坊のレベルではありません。記憶障害であり、彼女の欠点なのです。

マーリンがドリーに浴びせる罵声は明らかに障碍者の欠点を罵る行為であり、ニモは父のその発言に対して皮肉を言い続けます。

これは『ズートピア』の記者会見と同じ要素を持っています。
ズートピアでは起承転結のの位置でしたが、ファインディング・ドリーではでこの発言が飛び出します。

ズートピアでは、人種差別という重いテーマ性を溜めて溜めて爆発させました。
ただ、ファインディング・ドリーは障害(欠点)を持っていることが大前提で話が進んでいるのです。

障害は障害でも、それは個性なのです。

物語が進むにつれ、マーリンはドリーの記憶障害を欠点ではなく、個性だということに気付いていきます。

また、ファインディング・ドリーに登場するメインキャラクターは皆欠点を持っています。

ファインディング・ドリー

ミズダコのハンクは足が1本ありません。

ジンベイザメのデスティニーは視力が悪く、すぐ頭をぶつけてしまいます。

シロイルカのベイリーは「世界最高のメガネ」エコロケーションが使えなません。

そして皆、映画の中で欠点を克服したり、欠点を上手く使って活躍したりと、欠点は個性であることを体現し、ありのままの自分でいることに幸せを覚えるのです。

ファインディング・ドリーの”欠点”

タコのハンク



続いて、ファインディング・ドリーの欠点を挙げていきます。

ラストシーン、ドリーや仲間たちを海に帰すため、ハンクが車を”奪い””運転”するのです。

・・・が、なぜ運転できるのでしょう?

魚や軟体動物は基本的に車を運転する機会はありません。

ドリーの識字やクジラ語のように伏線があればまだ理解できたのですが・・・

タコに車を奪われたなど信じてもらえるはずもないですし、スタッフの今後が心配です。

そしてその直後、ルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』が流れます。

この映画屈指の爆笑ポイントです。『ウォーリー』のツァラトゥストラはかく語りきのシーンに似た、ベタベタな笑いのシーンなのはわかります。

ただ、筆者個人的な主観で「あざとい」と感じてしまいました。

それから、全体的に前作よりもスケールが小さくなっており、スピンオフのような感じがして人によってはその点も気になるかもしれません。

同時上映『ひな鳥の冒険』

ひな鳥の冒険

PIPER – Concept Art by Jason Deamer (Production Designer). ©2016 Disney•Pixar. All Rights Reserved.

素晴らしいです。

写実的なCGの中にほんの少しのデフォルメを加えたことで感情を豊かに表現しています。

セリフはもちろん、ナレーションや文字すら出てこず、パントマイムのみなのに登場キャラクターが思っていることが悠々伝わってきます。

ディズニーの映像技術の真髄は写実的ではなくデフォルメにあると思っているのですが、この『ひな鳥の冒険』の写実風CGのレベルが非常に高いです。

これを同時上映のおまけで見せてくれるディズニーのアニメーションへの自信と、他のアニメーション会社のプレッシャーは半端ではないでしょう。

感想というよりは解説のような記事になってしまいましたが・・・
以上、ファインディング・ドリー感想です。


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